『耳が喜ぶ韓国語』金ドンウン・李 勇九著 CD付
ようこそ孤独なハングルの世界へ。
地味で愛想なしの本ですが、あなたが心からハングルを欲しているのなら、耳は喜びます。
1.おすすめ度: ★★★★
2.本書を読んだ目的:
ただひたすら多読と音読とリスニングをしたかった。短い題材がたくさんあればあればいいほど思った。この本は最適!
3.本の構成
著 者:金 ドンウン著
出版日:2013年8年30 初版第1刷発行
出版社:株式会社 三修社
定 価:2200円(税別)
目 次:
Step1 耳慣らし
1自己紹介
2私の一日
3休日の過ごし方
4登山
5韓国人の名前
6学校の勉強
7夜の東大門市場
8韓国の四季
9ソウルの交通事情
10スマートフォン
11若者の就職
12大統領選挙
13理想的な彼女
14家事分担
15子供の教育
16韓国の観光地
17カラオケ
18人気のある職業
19職場でのストレス
20北朝鮮問題
21社内恋愛
22体験型観光
23親友
24新世代プロポーズ
25時間の約束
26誕生日
27国際結婚
28インターネット囲碁
29貿易自由化論争
30ハングルと漢字
31好きなお酒
32プロ野球
33キムチ
34ファッションセンス
35秋夕(チュソク)連休
36ハングルの日
37韓国の文化遺産
38整形手術
39病院での出来事
40海外旅行
41葬式
42自動車
43宗教
44雁のパパ
45英語の勉強
46法事
47デートコース
48片想い
49軍隊の記憶
50招待状
Step2 強化訓練
1プロポーズ
2ダッチペイ
3百日祝いと初めての誕生日祝い
4初雪
5孫の落書き
6別れの後、女性がよくすること
7記念日
8未婚男女が後悔すること
9男たちの最近の関心毎
10金持ちになる方法
11キムチダイエット
12往十里に帰ってきたコプチャン
13鼻の整形
14大学生活
15注射
16雨蛙
17休暇シーズンの天気の心配
18祝日シンドローム
19ジョブプアー
20見る価値のある公演
21禁煙
22軍隊でテコンドー
23新婚夫婦のメッセージ
24食事のマナー
25解放村「リトル梨泰院」
26チャプチェの作り方
27紹介ティング、ミーティング、科ティング)
28酒道
29冷麺とサムゲタンの値上げ
30結婚は人生の墓場?
Step3 ステップアップ
1干支で分かる性格
2初恋の記憶
3弁当
4蚊の退治
5私の自炊生活
6わが家のペット
7私の家
8アレルギー
9夫婦げんか
10友達の訪問
11家族写真
12先生の日
13妻の休暇
14たばこ断ち
151対1の合コン
16一人旅
17はんこ彫り
18セクハラ
19歌手、趙容弼(チョー・ヨンピル)
20読書
総 頁: 165頁
4.感想
とてもよかったです。
多読したい、音読したい、リスニングしたい!(CDあり)が目的だったので、買って正解。たいへん満足しています。
①レベル別
Step 1 では、各100~200字程度。ハングル能力検定4級程度。
Step 2 では、各200~300字程度。Step 1に比べて少し難しめ。
Step 3 では、ハングル能力検定3級やTopik中級レベルの500~700字程度の20の文章。
孤独な一人語りが大半なので、ドラマのような対話はまったく出てこない。
➁音声スピード
まったく普通のネイティブスピードです。男性。
学習者のためにスロースピードなどは一切用意していない。
でも、むしろ語学学習はそのほうがいい。
スロースピードなどあったとて、一体なんの意味があるのだろう?
外国人は、われわれがオロオロしようと何しようと、野獣のようにけたたましく話すのだ。我々は、その野獣スピードに慣れておくしかないのだ。
③愛想なし
そして、この本は 一切、文法の説明はありません。
なので初心者には不向き。
もし文法説明を入れたらこれだけの数のトピックは収まらなかったと思います。
テキストの下のほうに、親単語だけざっくりと書き出してあります。
ほんとうにざっくりとだけ。
中級レベルの方ならば、このレベルであれば読後にちょこちょこと電子辞書をひけば事足りることばかりなので、さほど気にもならない。
左頁に韓国語、右頁に日本語。
このスタイルでえんえんと最後まで続きます。
よくあるコラムなどのような、読者きっと疲れたろうな、よしここらで息抜きさせてあげようかなんて趣向は一切なし。まったく愛想なしです。
⑤求めるな
この本に、至れり尽くせりを求めてはいけません。
「おもてなしの心」は、朝鮮人にはないのです。
あなたが求められているのは、セリフサービス。
ただひたすら、耳をすまして「聴きまくる」
口を開けて、大きな声で「音読しまくる」
目を見開いて、「読みまくる」
そう。この本は、自助努力の修行です。
ハングルと毎日いるためにこの本を利用しよう。
会社のトイレで、ランチタイムに、帰りの電車でつねにハングルをこそこそと目に焼き付けてください。
ちなみに、わたしは韓国が好きで韓国語を勉強しているのではないぞ。
愛国者として、韓国を見張りたいから韓国語を勉強している。
悔しいのは、韓国語にとてつもないデジャブーを覚えるのは事実です。
⑥出たよ趙容弼さま。
本書の中で、吹き出してしまった部分がある。
それは、19. 歌王、趙容弼(チョー・ヨンピル)の部分である。
趙容弼といえば、近年だと2018年3月の平壌でのコンサートの時、金正恩に90度直角のお辞儀をしてへつらったとして記憶にあるが、彼はいわゆる文在寅派であり、完璧な親北派である。
この本では、その趙容弼を取り上げて「(趙容弼は息の長い歌手であり)若者たちは趙容弼を見習え」と絶賛している。思わず吹き出してしまった。古いし、プロパガンダそのものだからだ。
真の愛国者, 羅勲児(ナ・フナ)ではなく、趙容弼だということにわたしは苦笑してしまった。日本で出版されている韓国語の書籍はほぼほぼ親北派誘導型なので、こういうところも、「またやっとるわ」と思って楽しめばいい。ふふふん。
あんにょん。