倭羊の回し蹴り

この国を憂う。映画・読書ノート、徒然なるままに。

『マンガで読む昭和史「南京大虐殺の真相」』畠 奈津子・大館亜津子著

我らのご先祖様は、中国の大地で大虐殺なんてやらなかった。中国共産党のデマとウソと浸透によって多くの日本人がだまされた。

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1.おすすめ度: ★★★★★満点

2.本書を読んだ目的:

南京大虐殺がウソだと言うのは知っていた。この大ウソをマンガでどのように表現しているのかが見たかった。また、中国のチベット侵攻についても描いてあると聞いたので、これも楽しみだった。

 

3.本の構成

著 者:畠 奈津子、大舘亜津子

出版日:2007年12月28日 第1刷発行

出版社:ワック株式会社

目次
第1章 「南京大虐殺」の真実
第2章 「百人切り」報道を斬る
第3章 チベットの悲劇


概要:学生の女の子3人が『レイプ・オフ・南京』の映画を見てショックを受け、日本軍はなんて残酷なことをやっていたのだ落ち込む。しかし、徐々に本当に自分のご先祖様がそんなひどいことをやったのか?と疑問をもち、同級生のあこがれの男の子とひとつひとつ検証をしていくことに。南京大虐殺にかんしては約200頁、チベット虐殺に関しては約80頁の構成。

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4.感想

とっても良い作品だった。

これなら中学生が読んでも理解ができる。

若者よ、BTSに夢中になるヒマがあったら、こういう良書を読めよ!
と思う。

マンガというのはすごい力があると思う。
絵として表現することで脳に記憶が残りやすい。中国はマンガの力を借りて、ばんばん小さな子供たちに残酷な絵を見せて日本軍は鬼畜で残酷だったと教えているのだ。日本もマンガを使って「真実」を大いに教育するべきだ。

この国はほんとうに腐りきっている。

平和を軽んじる左翼にメディアも教育ものっとられ、我々日本人は、我が子を戦場に送り、共産主義に財産を奪われ、移民の横暴に文句を言っただけでレイシストにされてしまう。反日どもがうじゃうじゃこの国を破壊している。日本政府ですら国を守らない。

国を守らずして一体何を守るというのだ?


本の整理

1.南京大虐殺30万人のウソ

 ①当時の南京の人口は20万人しかなく、そもそも不可能。
 ➁南京陥落から4週間後には、むしろ人口は25万人に増えている。
 ③南京陥落と同時に120人の日本のジャーナリスト等が取材のため入城したが、だれも虐殺を目撃した人がいない。


2.南京での、蒋介石の国民党軍の非道ぶり

 ①幹部たちは戦う前に逃げ、
 ➁逃げようとした末端の中国兵は督戦隊が背後からすべて射殺した。


3.そもそもなぜ日本軍は中国に行ったのか?

 ・1899年、北清事変(義和団事件)により北京の外国大使館が襲われた。
 ・暴徒を扇動した首謀者は清国。日本も襲われたので、中国に住んでいた自国民を保護するために軍隊を派遣。清の了解も得ていた。
 ・他の外国軍隊もみな北京へ派兵されていた。計11か国。


4.戦争の罪をすべて日本になすりつけた東京裁判。米国の日本侵略。

 ・裁判官は有色人種を嫌う白人の連中9か国で固めた。インドとフィリピンの裁判官は、おまけで加わることに。後に、パール判事の名裁判ぶりは歴史に残る。
 ・この裁判は、日本を一方的に裁くためにアメリカが画策したとんでも裁判。今日においても、国際法を遵守しなかった東京裁判を批判する声が世界の主流だ。誇りをもて日本よ!


5.創作だった南京百人斬り

 当時の日本は戦争に肯定的な世論が主流で、話題づくりのために創作された百人斬り。にもかかわらず、東京裁判では証拠もないのに日本兵が処刑されている。


6.本多勝一と浅海一男(東京日日新聞)の大罪

 ウソにより罪のない人が処刑された一方で、この二人は大金を稼ぎ、その後、大出世を遂げている。真実を知るわれわれは、絶対にこの薄汚い二人の犯罪者を忘れてはならない。


7.侵略され蹂躙されるチベットの姿は、明日の日本の姿


 漫画ではなるべく不愉快にならないよう、ソフトに描かれていたと思う。他の著述物を読むと、1950年からの中共軍によるチベット人虐殺、拷問強姦は、身の毛がよだつほどのひどさだ。チベット人女性アデ、27年間の獄中生活。飢えと孤独、過酷な労働。幼い子供との別れ。よく耐えたと思う。涙なしには読めなかった。


8.最後に

南京大虐殺について、「それがウソなのはわかってるけど、いまいち頭が整理されてなくて」と言う方、ぜひこの本を家に一冊置いてください。わたしはこの一冊を読むと、頭が整理でき、そしてもっと深く知りたいと思い、他の本もたくさん読みました。

中学生くらいの子供がいる方は、子供といっしょに読むこともお勧めです。たしかに残酷な記述はありますが、早い段階で学校の歴史教育が歪められていることを知ってもらうのはいいことだと思います。

若い方々に、日本のご先祖様が立派に戦ったということを一人でも多く知ってもらいたい。

 

 

『中国共産党暗黒の百年史』石平著

中国共産党ってえぐい!えぐすぎる!
吐き気がするぐらい残酷で、悪辣で、人間のクズの集まり。どうする日本!?

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1.おすすめ度: ★★★★★満点

2.本書を読んだ目的:

現在、日本を含め世界中に工作員を浸透させ、世界を侵略しようとしている中国共産党はどんな政党なのを知りたかった。著者は、日本の一流知識人が書いた中国近代史のほとんどは、中国共産党の革命史観に沿って書かれた「気持ち悪い」本ばかりであると嘆く。日本の中国研究家はほとんどが左翼知識人で、中国礼賛軍団である。わたしは、中国の悪辣さを身をもって知る元中国人の石平さんの知る中共を知りたいと思った。

 

3.本の構成

著 者:石 平

出版社
:大山邦興

出版日:2021年7月4日 第1刷発行
    2021年8月2日 第5刷発行

目次
第1章 浸透・乗っ取り・裏切りの中共裏工作史
第2章 繰り返される血まみれの大量虐殺史
第3章 侵略と虐殺と浄化の少数民族弾圧史
第4章 紅軍内大虐殺、陰謀と殺し合いの内ゲバ
第5章 周恩来、美化された「悪魔の化身」の正体
第6章 女性と人民を食い物にした党幹部の貪欲・淫乱史
第7章 日本人をカモにした対日外交史と反日の系譜
最終章 危険すぎる習近平ファシズム政権の正体と末路


概要中国共産党は結党100年を迎えたが、そもそもの結党から現在までがどれほど罪深く、どれほど外道なふるまいをする危険な勢力であるかが書かれてある。時系列な歴史書ではなく、とくに今まで意図的に隠蔽され、無視されてきた衝撃的な事実に焦点を当てながら再構成された検証本。良書。巻末に年表があって便利。


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失礼。書き込んでます。


4.感想

読後、ためいき。
素直でうつくしい心をもつ、平和を愛するお花畑の日本人は、こんな恐ろしい悪魔集団を相手に戦えるわけないじゃん・・・っていうのが、正直な感想でした。

国史をそれなりに勉強してきたので、我々のご先祖様が古代、中世、近代とどれほど勇ましく中国と渡り合ってきたのかは十分に知っている。

しかし、今の腰抜け日本人がこの悪行の限りをし尽くすことを屁とも思わない中国共産党に、戦略的に、精神的に勝てるわけがない。もう絶望的なんじゃないか という気持ちです。

相対的に中国共産党は人を人と思わない。
そして味方や同志を人間と思わない。「信頼」や「義侠心」がまったくない。保身のためにはすぐ裏切り、密告し、大勢で流血のリンチにあわせる。結党以来の彼らのやり方を見ていればようくわかる。

スパイ工作や世論誘導は、日本ももっと見習うべきだと思うが、裏切り、内ゲバ、政争に国民を巻き込んで全国的に大虐殺を展開する等の気が狂った所業は、日本人は今後もぜったいに真似するべきではないだろう。

大体、古代から日本民族は平和を愛する民族であり、義侠心に厚い民族だった。
この本を読んで、ぜったいに中国人の汚さを真似てはいけないと思った。

では、中国人のように悪魔的支配力をもつ民族に、どのように日本民族は戦っていけばいいのか。
自国を羽交い絞めにする日本国憲法、軍事力も経済力も落ち、政府の世界に向けたプロパガンダ力もない。マスメディアは日本の危機的状態を一切伝えず、政治家は媚中に走り、中国に向けた少しの政治的発言でさえ、事前に中国様にお伺いをたてている有様だ。日本政府に絶望を感じる。


1.中共スパイの驚異のタフさ
 本書を読むと、1900年代内戦時、中共が国民党内部に優秀な工作員を送り込み、機密情報を盗みまくったことで戦況を有利に運んでいったことがようくわかる。何十人も送り込みんでいるのだ。驚くのはその潜入の上手さである。

何十年も国民党(しかも中枢機関)に潜入していながら、脳みそが国民党色に染まらない中共スパイのタフさ。初期のスパイ三傑(銭壮飛、李克農、胡底)は国民党の特務機関に入り込んで盛大な成果を上げた。中共は国民党の殲滅作戦をすべて事前に察知することができ、逃げることができている。

2.一村一焼一殺の残忍さ
 よく彼らは日本軍は中国で「焼き尽くし、殺し尽くし、奪いつくす」(三光作戦)ことをしたというが、まったくのウソである。三光作戦こそは中国軍のお家芸であった。

本書は、中共による、①国民党軍にたいする殺戮から始まり、➁罪のない一般市民、次に、③中共内部での内ゲバ殺し合い、④少数民族への殺戮、といった具合に、とにかく殺しまくり、強姦しまくり、奪いまくる中共の極悪非道が記述されている。

一体、おまえらどれだけ殺したら気がすむんだ?!

死者数をざっと簡単に言うと、

①国民党軍、内戦で、少なくても、800万人
➁一村一殺の全国的殺戮 (1950~) では、約200万人
 鎮圧反革命分祀運動 (1951)では、約71万人
文化大革命 (1966-1976) 約1000万人以上
④イ族、チベット内モンゴルにたいする虐殺 カウント不能

この他、もう数えきれないほどたくさんの粛清運動があり、そのたびに何十万、何百万と中国人が殺されていく。あの広い中国の大地はそのまま墓場と化したんだなと思うほどである。


3.おもしろかった話
 ①なぜ毛沢東彭徳懐を粛清したのか
 ➁周恩来の養女、孫維世の悲劇
 ③毛沢東の好色度がスゴすぎてめまい
 ④周恩来がなぜ生きながらえたのか?


4.未来にむけて
 なぜ1972年、日本はこんな人権無視の血まみれ国家と国交を回復したのか?
 戦略をもたない安易な国交回復で日本は多くのモノを失ったが、中国は金、技術、人材育成、国際社会への復活、という絶大な進歩を得た。中国が日本に近づく時、それは日本を踏み台にし、日本から搾取しようと企む時であることがようく分かる。

 すべてにおいて騙され奪われつづける日本。
 国の技術も財産も誇りもすべて奪われてきたのだ。
 
 現在、世界が反中国という体制で動き出しているのに、なぜ日本(岸田政権)はそれと反対の動きをして日米同盟を揺るがすようなことをするのか。

 本著を読めば、これらの疑問に自然と答えが見えてくる。
 すべては、国を強くしようとする戦略のなさであり、防衛意識の欠如である。
 日本民族は、なにも中国の極悪非道から学んでいない。
 平和があって当たり前の民族は、平和が戦いによって得られるものであることを忘れてしまう。

 石平氏は、日本は日中国交回復する以前は、日本は中国などと経済的交流がなくとも世界第2位の経済力を達成し、世界中の国々に仲間がいた。自信をもて!と言う。中国と距離をもて、しっかりと対峙しろと言う。

 世界が中国から手を引いている時に、「中国と組まなきゃ」という強迫観念に縛られ続ける日本という国が情けなくて仕方がない。


中国に甘い幻想を抱いている方、
中国が大好きだった方、
中国が憎くて大きらいな方、
中国をまったく知らない方、
興味もない方、


全員にこの本をおすすめします。
日本が中国に侵略されたら(そう遠くない未来だ)、真っ先に焚書される本です。
いまのうちに一読をおすすめします。

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メルカリで購入した箱みかんが最高だった!

年末、最高にうれしかったもの!
それはメルカリで買った箱みかん。

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このみかんいくらだったと思いますか?
10kg で、なんと送料込み、税込みで、2000円でした。

よく、安い食料品は添加物や農薬まみれという話を聞きますが、
それは覚悟して買いました。

日頃、添加物には気を付けているので、添加物がどれほど体に毒なのかは承知済みです。今回は確信犯の自己責任ってことで。


しかし、この箱みかんがすばらしく出来がよかった。

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①つぶれてない!
小粒のみかんです。箱の下層みかんを全部チェックしましたが、一個もつぶれていない。つぶれかけもない。ふにゃふにゃもない。

え?っとびっくりした。安いから、三分の二はつぶれてたり腐ってたりしても想定内と思ってたので、ほんとうにうれしかったです。


➁到着が早かった!
これもびっくり。うちは北国なので多少の日数はかかるんです。
それが、頼んだ二日後の朝早くにはもう到着。しかも私が頼んだのは夜だったはず・・・

これを送ってくれた人は、すぐに手配してくれたんだなぁと胸が熱くなりました。
ほんとうにどうもありがとうございました。

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③おいしい!
水分も甘味もそこそこあって、そりゃブランド品には負けるだろうけど、この値段でこのおいしさって最高じゃないの?って喜んだ。

ほんとうに出品してくださった人に感謝したい。


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最後に、メルカリで出品していた方の情報は、

「こい」さん
プロフィールに、兼業農家と書いてあるので、
神奈川でみかんの兼業農家さんなのかな、と想像したり。
身元もきちんと「本人確認済み」の出品者さんでした。


コロナで医者どもが銭ゲバ化して、人の命を軽々しく扱ったり、人々をワクチン漬けにして金儲けのことしか考えない連中がたくさんいる中で、利益をあまり考えない出品者さんに感動した話でした。

こいさん、お気に入りに登録させていただきました。
ありがとうございました。

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『チベット入門』ペマ・ギャルポ著

「日本の教科書をみると、チベットが独立国であった、という記述がほとんどありません。チベットは昔から一貫して独立国でありました」ペマ・ギャルポ

 

 

1.おすすめ度 ★★★★

2.本書を読んだ目的

『中国はいかにチベットを侵略したか』(マイケル・ダナム著)を読了後、チベットに深く興味をもったので、侵略される前のチベットはどんな国だったのかを知りたいと思った。本書は、チベットの自然・生活習慣・文化以外に、1950年に中共に侵略される以前の歴史についても詳しく書かれてある。

3.本の構成

著 者ペマ・ギャルポ
出版社:株式会社 日中出版

出版日:1987年1月25日 第1印発行
    
目次:
 第1章 チベット紀行
 第2章 チベットとは
 第3章 チベット小史


概要:「チベット紀行」は、チベット旅行記ではなく、1950年以後中国に占領されたチベットが破壊されていく被侵略記が延々と書かれてある。「チベットとは」で自然や生活・文化・政治・経済などに触れ、「チベット小史」では、建国から1950年頃までの清朝や英国に翻弄されながらも強く逞しく生きてきた強国チベットの歴史が書かれてある。

 

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https://pixabay.com/ja/



4.感想

本書は、1987年の初版本であり、古い本だ。
しかし、まったく中身に古臭さを感じない良書。翻訳書ではない。日本に帰化されて日本語が流暢なペマ・ギャルポ氏が、日本人の論理思考に通じる言い回しで丁寧に書かれている。

またこの本も戦慄を覚える本であった。
なぜ青年期にこの本を読まなかったのだろうと後悔する。

 

わたしの青年期は、中国が大好きで、一途に中国に夢を見た一人の女子学生だった。中国人になりたいとさえ思っていた。お花畑の青年期だったとつくづく思う。あの時代は日本が中国にたいしてまったく警戒を抱かない、それどころか世界中が中国の広大な市場を求めて中国に接近していた時代だった。


チベットは、私が生まれた頃にはもう中国共産党に侵略され、ダライ・ラマ法王14世はインドに亡命していた。なんて大昔のことなのだろうと思う。食卓で、私の両親の口からチベットを心配する言葉は吐かれたことがなかったと思う。それほど遠い話だったのだろうと思う。

もしもその後、中国がチベット自治区を良好に統治し、チベット人がしあわせに暮らしているのであれば、それはそれで国際社会に評価されるだろうが、その後チベット人が何度も反中国デモを起こし、中共兵によって何百人ものチベット人が殺され、迫害されてきたことを思うと、この侵略は許されるものではないと思う。

1.数字によるチベットの貧困化がよくわかる
本書は、中国はいかにチベットを侵略したか (マイケル・ダナム著)に比べると中共による強姦や虐殺の記述が強烈でなく、古い時代なので、そこらへんは読み手を意識して書かれたのかなと思う。軍事的に征服されていくチベットの描写に加えて、際立ったのは、チベットがなぜ貧しくなっていったのかを経済的に数字を挙げて説明しているところがよかった。

多くのチベット人が飢えに苦しんで死んだが、それは、

 ①大量の中共の駐留部隊の食料供給があったため
 6万ないし7万の人口の首都ラサに、2万数千人の軍人にたいする莫大な食糧供給はチベット人の困窮を招いた。穀物は約10倍に高騰、バターも9倍、一般商品は2倍から3倍値上がりした。単純素朴なチベット経済は、進駐軍が来ただけで破壊されてしまった。

 ➁大量の穀物と銀貨の要求
 中共は、①に加え、チベットに100万ドル相当の穀物と30万ドルの銀貨を要求した。

そして、その後、何十年経ってもチベットが中国全土から比して、教育レベルも、自給率も、生活向上もされなかった理由を、「中共による何年にも渡る徹底的な経済的搾取」を理由にあげている。

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2.チベットが侵略される前の歴史が詳細
 風土・自然の紹介に加えて、やはり楽しかったのは、チベットが侵略される前の歴史が詳しく書かれてある点である。
 チベットの最初の王、ニャティ・ツェンポの時代から始まり、第33代のソンツェン・ガンポ大王の時代(629-664)の時には、インドや唐などの文明国からもろもろの制度をとり入れるばかりか、ブータンビルマトルキスタン、そして唐の西部まで領域を拡大したチベット帝国を築いたという。

 振り返ってみると、チベットは、唐にも英国にも負けない強国であった。
 ある時は婚姻関係を築き唐とも結びつき、モンゴルとはずっと良好な関係で同盟を結んだりしていた。満州人の中国大陸支配の初期までにおいては、チベットは外国から侵略のない平和な時代がつづいたのだ。

 こんな強国だったチベットが仏教の非暴力主義を重んじ過ぎたがゆえ、国を守ることを怠り、結局は中共に支配されることになる。


2.仏教の非暴力に重点を置き過ぎたチベット
 チベットが仏教を取り入れたのは、紀元前233年、第29代のハト・ト・リ・ニャンツェン王の時代と言われる。紀元前に仏教を国教にしながらも、その後もチベットはずっと領土を拡張しつづけ、清国とも対等な力関係でいたにも関わらず、なぜ中国共産党に侵略されるまでに弱体化したのか。

①平和な時代が続き過ぎたこと、
ダライ・ラマ13世が近代化を進めようとした時、既得権益階層がこれに反対して思うように進まなかったこと
鎖国という閉じこもった世界に身を置き、世界から孤立したこと、
が挙げられる。

そして、1950年に被侵略後、チベットをこれほど長い間取り戻すことができなかったのは、
ダライ・ラマ14世の異様なまでの非暴力主義への固執であろう。

暴力をふるったのは侵略してきた中国共産党であり、自国を暴力を用いてでも防衛することは立派な正義があっただろう。なぜそこまで非暴力主義を唱え、抵抗するチベット人に降伏を求めるのか(降伏したチベット人は、自殺者も多かったと聞く。そして、ネパール兵や中国兵に何百人も無残な殺され方をした)が理解不能だった。

かつて強国だったチベットが無残に侵略されていった過程がわかればわかるほど、日本は同じ轍を踏んではいけないと思った。



 

 

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