ねず国史観が最高っっっ!
日本人として誇りをもてる歴史観。
真実から紡ぎだすストーリーでないと歴史は語り継がれていかない。
1.おすすめ度: ★★★★★満点
2.本書を読んだ目的:
歴史が大好き。学生時代はずっと世界史派で日本史が頭から抜けているような人間だった。それでいいと思っていたが、年をとり、日本人としこれではいけないと反省。必死で国史をしっかり勉強せねばと思った。ねずさんは保守系歴史Youtube系としてファンだったので、この人の国史観ならばと思って購入。
3.本の構成
著 者:小名木 善行
出版日:平成27年11月4日 初版第1刷発行
平成25年12月15日 初版第4刷発行
出版社:株式会社 彩雲出版
定 価:1400円(税別)
目 次:
1 旧石器時代 三万年前の磨製石器
2 縄 文 時 代 漆と縄文文化
3 弥 生 時 代 縄文人と渡来人の相克
4 古 墳 時 代 日本語の「征服」の意味
5 飛 鳥 時 代 天下の皇民
6 奈 良 時 代 万葉の時代といまの日本の民度
7 平 安 時 代 菅原道真公の決断
8 平 安 時 代 安倍一族と源義家
9 鎌 倉 時 代 壇ノ浦の戦いと鎌倉幕府の始まり
10 南北朝時代 建武の中興と天皇の役割
11 戦 国 時 代 ザビエルの言葉
12 安土桃山時代 秀吉の朝鮮出兵
13 江 戸 時 代 貧農史観というデタラメ
14 明 治 時 代 明治維新と南北戦争との深いつながり
15 大 正 時 代 飛行機の発明と飛行神社
16 昭 和 世界を救った小麦
17 昭 和 インパール作戦
18 昭 和 思いやりの心
お わ り に 千年後の歴史教科書
総 頁:237頁
概 要:本書は、人気政治ブログナンバー1の常連「ねずさんの学ぼう日本」の記事の一部を編集してまとめたものである。全部で18のエピソードがあり、どれも日本人として日本を心から誇れる歴史に出会える。口語調で中学生にもわかるように易しく書かれてあり、しかも、学校では絶対に学べないであろう目からうろこの情報でいっぱいである。
4.感想
すばらしかった!
知らないこともたくさんあったので、感謝です。
日本史の中で、18の日本を誇るエピソードが時系列に書かれてある。
わたしがとくに感動したエピソードを挙げていくと、
1. 三万年前の磨製石器
7. 菅原道真公の決断
12. 秀吉の朝鮮出兵
14. 明治維新と南北戦争との深いつながり
16. 世界を救った小麦
17. インパール作戦
もちろん、この他にも感動したものはある。
しかし、どうしてもと言われたら、上記6つに絞られ、その中でも最高だったのは、迷うが、やはり 12. 秀吉の朝鮮出兵 ではないだろうか。
1.三万年前の磨製石器
・世界最古の木造建築物、法隆寺と磨製石器の深い関係。
・岩宿遺跡で、世界最古の磨製石器を発見したアマチュア考古学者、相澤忠洋氏の壮絶な研究人生とその誠実な人柄。そんな彼を誹謗中傷しつづけた薄汚い勢力。
何かを成し遂げようとすると、必ず試練があるということ。
相澤氏の、誰をも恨まないという、苦難の乗り越え方がすばらしかった。
7.菅原道真公の決断
・菅原道真は、遣唐使を廃し、日本を鎖国した英雄である。
当時、中国との貿易は巨額に儲けることができる商売であったことから、遣唐使を廃止した菅原道真には非難の嵐が起こったという。しかし、道真は中国と交流することで、多くのならず者が日本に流入し、徒党を組んで犯罪集団となり村人を襲い、残酷な殺人事件や強奪事件が増えていったことを重くみて、断交を決断。
しかし、これを心よく思わなかった反対勢力により道真は政権の中枢から引きずり降ろされ、最後には大宰府で憤死してしまう。
売国奴だらけの 現代の日本とあまりに似すぎていて、道真公に涙してしまった。
現代で起こっている重大なことのほとんどは過去に起こっている。
だから歴史を勉強する意味があると思う。
12.秀吉の朝鮮出兵
壮大なロマンを感じた。教科書ではぜったいに味わえない世界が本書にあった。
スペインによる侵略を憂慮して朝鮮出兵を決断したことは知っていたが、さらなる深堀がここで読めた。
スペインが日本に「いっしょに明国を侵略しないか」と誘っていたことや、スペインが日本を侵略できなかった理由、はたまた日本が朝鮮出兵をしていなければ世界情勢はどう変わっていったか等々の推測がすばらしかった。
世界の覇者スペインとの、手に汗にぎる駆け引き。
今の、日本の腰抜け政治家どもにはぜったいにできないなと思いながら感動した。
鉄砲コピー能力と秀吉の英断、そして日本が直面している危機を全国の大名が共有することができた。これが日本を救ったんですね・・・
ほんとうに、ここは始終わくわくして読めた。
そもそも、韓国人に「日本は秀吉の頃、我が国を侵略したニダ」と言われて、それは昔の話とか言って逃げようする日本人はぜんぜん歴史をわかっていない。日本は、朝鮮と戦うために出兵したのではない。それは徹頭徹尾「明」との戦いだったのだから。
そこから意識を変えると、今の韓国人の言い分に鼻でふふんと笑い飛ばせます。
彼らは今も昔も、目の前に広がる国際情勢の深刻さを分かることができていない。
14. 明治維新と南北戦争との深いつながり
これもすごい楽しかった。
1857年の下田協約がもつひっじょおおおに重大な意味。そんなこと学校では教わらなかった!
当時の日本の官僚が国際金融に疎く、金・銀の交換レートをしっかり把握してなかったばかりに、莫大な金の国外流出を招いてしまい、それが後にアメリカが南北戦争を経て、強大な軍事国家へと飛躍する機会を与え、また日本の明治維新にも多大な悪影響を残した。
つまりはこうだ。
アメリカは、日本官僚の無知に乗じて、世界の富の3分の1の金(ゴールド)を手に入れた後、その金で、①二百万の北軍を編成し、➁最新式兵装を整えて南北戦争に勝利し、さらに、③南軍の借金を立て替え払いし、④アラスカまで現金で購入することができた。
そして、日本は、⑤アメリカが南北戦争で使った中古の武器を大量に買わされて、それで無益な戊辰戦争に突入し、日本中で殺し合いが行われた(8420名の戦死者)ということ。この流れの把握は、すらすらと頭に入っておもしろい。
日本がどれくらい草刈り場にされていたのか(今も)がようく分かるエピソードだ。
あと、16.世界を救った小麦 や、17.インパール作戦 のエピソードも、
目玉が飛び出るほど楽しいし、知らないことだらけであった。
どちらを読んでも、日本人がなぜにこれほど利他精神に富んだ民族であるのかが、不思議でならない。日本人って菩薩様?やりすぎではないか? と思うほどである。
インパール作戦については、インドの解放、有色人種の解放について尽力したいという日本軍の熱い気持ちはわかるが、どの戦争もどんな小さな戦略も、勝算が少ないとわかっていたのであれば、それがどれくらい立派な行為でも、作戦を練る直すべきだったのではないかと思った。
補給の不備が分かっていながら突入し、結果、白骨街道と呼ばれるほど日本兵の残骸が累々と続いたというのは、戦死兵の家族は無念でならないだろう。日本軍は大いに反省しなければならないのではないだろうか。
しかし、インド兵を後方に置き、自分たちが先頭に立って戦ったという点や、どれほどイギリス兵にやられても日本兵の士気が高かったなど、あと、餓鬼や幽鬼のような姿で山中を引き上げる日本兵が退却途中どの村も襲わなかったなど、ほんとうに胸が熱くなるような話がここにはたくさんある。
まとめ
日本人として誇りに思えるエピソードは尽きない。
それほど日本史は、古代から現代において、深く、長く、そしてたくさんの英雄が出てくるからである。それは、小名木氏がたくさんのことを本書で述べていてくれている。
しかし、日本民族がどれほど人格的に優れていようが、すばらしいことをしようが、多くの日本人がそれをしっかり誇りに思い、そしてそれを世界に知らしめなければ、日本は今後も自信を喪失しつづけていくであろうと思った。
鎖国に戻ることはできない。
鎖国に戻った瞬間に、日本は中国やロシア、米国といった冷酷な大国に占領・吸収されていくのだから。国益をどれぐらいむしり取られてきたのか。今後もそうなるのか。考えただけで寒気がする。
そうではなく、日本は、日本を理解してくれる中国、韓国、朝鮮以外の友好国を世界にもっとたくさんつくることが必要だと思った。とくに、日本が大東亜戦争で戦った意義を比較的理解してくれる国々が多い東南アジアにもっと力を入れて。
そのためにも日本のすばらしさを国家と国民が内外に発信していくことがとても大切だ。
もっとそこに予算を使えよ日本政府!
一つ要望なのだが、この本は中学生なども読めるように書かれた本だと思うので仕方がないが、それぞれのファクトの出典元を巻末でもちょこっと書いてあればもっといいのになぁと思いました。